04 10月 存在価値
ゴミとなって捨てられるものは、使えなくなってから捨てられることが多い。
しかし、こと着物となると家のタンスにしまわれたまま無用の長物となる。
まだ着る事ができても、着る機会がないということで捨てられる。
一度も袖を通される事無く世代が変われば、たとう紙を開けることすらなく捨てられる。
あまりにも非情な着物の結末。
裂き織りを始めてから「捨てるよりはこういうものに使ってほしい」「処分しようと思ってたのよ」と着物をいただく機会が多々ある。
着物を廃品と捉えた事は今まで一度もなかったけど、つまりはある人にとってはそういう存在で、
その処分されるはずだったものたちを利用して私は作品を作ってるんだ、という気づきに今頃至った。
ただ、私は「再利用」という言葉だけでは括りきれないこと、
「そのものの存在を活かしつつ、更なる付加価値を加える」ということをしていきたい。
着物にはその存在価値とパワーが大いにあると思うから。