24 11月 裂き織りと出逢って
裂き織りを始めてから、よく思うことがあります。
それは、「自分の中で過去と現在と未来はつながってるんだ」ということ。
大正や昭和の着物を裂き、平成の時代に私の手で新たな織布に生まれ変わる着物たち・・・
さまざまな時代が交錯した織布を見つめていると、自分の中に新たな時代が広がっていくような気分になるのです。
生まれてからずっと、「わたし」は「わたし」なんだという、当たり前のことを私は織り上げた布を通し初めて意識しました。
そしてこれから先も「わたし」であり続けるんだなぁと、心がフルフルッと弾むような不思議な気分になったのです。
裂き織りは、いつかの誰かが袖を通した着物たちを、現代に生きる人間が再構築し、次の時代へとつなげていく織物なので、
不変に続く「わたし」という存在の中でのつながりを強く感じさせたのではないでしょうか。
古い着物が教えてくれる歴史や思い出を感じつつ、新たな記憶やひらめきを重ねることができる裂き織りが私は大好きです。